2026/06/22阿邪美 - AJaBi -美術の価値「ゴッホより普通にラッセンが好き」でなぜ我々は笑ったのかごめん。先に言っておく。私はラッセンより普通にゴッホが好きである。そこは譲らない。だからこれは、ラッセン擁護の記事ではない。ラッセンも素晴らしい、という話でもない。もちろん、ラッセンを好きな人を笑う記事でもない。 むしろ逆である。笑った側の話である。 あのフレーズで、なぜ我々は笑ったのか。 ゴッホとラッセンのどち...
2026/06/22阿邪美 - AJaBi -美術史・制度贋作とは何か - レンブラントとかいう厄介おじさん -あなたはこれが本物だから好きですか。 贋作の話をすると、たいていは悪い人間が出てくる。 偽の署名を入れる。来歴を作る。古い絵を、もっと有名な名前に見せかける。買う側をだます。 もちろん、それは悪い。 金銭が動くなら、なおさらである。美術市場では、名前ひとつで値段が変わる。レンブラントであれば億になるかもしれないも...
2026/06/22阿邪美 - AJaBi -美術史・制度子どもの絵は、ミュージアムで保管する価値があるのか岸田劉生の娘の麗子、と言えば、美術の教科書で一度見た記憶が皆あると思う。 東京国立近代美術館に残る岸田劉生関連資料のなかに、麗子が七歳のころに描いた絵がある。 この話の奇妙さは、麗子が有名であることにある。 麗子は、まず本人として知られているのではない。岸田劉生が描いた麗子として知られている。あの正面性、あの顔、...
2026/06/22阿邪美 - AJaBi -美術史・制度世界で最初の「芸術家」- どこかの村のレオナルド -芸術家は、最初からいたのか。 絵を描く人はいた。像を彫る人もいた。建物を作る人も、器を作る人も、壁を飾る人もいた。 しかし、それはそのまま、私たちがいま言う意味での「芸術家」だったのだろうか。 ここで少し乱暴なことを言う。 世界で最初の芸術家は、レオナルド・ダ・ヴィンチである。もちろん、これは史実としての最初では...
2026/06/22阿邪美 - AJaBi -美術史・制度絵の具を買うのはズルなのか - 表現はテクノロジーと共にある -絵の具を買うのはズルなのか。 変な問いに見える。 絵の具は買うものだ。画材店に行けば売っている。油絵具も、アクリル絵具も、水彩絵具も、日本画用の絵具も、棚に並んでいる。いまさら、それを買うことをズルだと言う人はあまりいない。 しかし、本当にそうだろうか。 もし、ある時代の画家が、自分で顔料を砕き、媒材を作り、支持...
2026/06/22阿邪美 - AJaBi -美術の価値5ドルの絵は、ポロックなのか - 値段はクオリティだけでは決まらない -5ドルで買われた絵がある。 カリフォルニアの中古品店で、元トラック運転手の Teri Horton が買った抽象画である。買ったとき、彼女は Jackson Pollock を知らなかったとされる。絵は友人への贈り物にするつもりだったが、大きすぎた。売りに出したところ、周囲から、これはポロックではないかと言われる...
2026/06/22阿邪美 - AJaBi -美術の価値その教祖の壺には、値段ほどの価値があるのかその教祖の壺には、値段ほどの価値があるのか。 この問いは、少し扱いにくい。 壺そのものを見れば、ただの焼き物かもしれない。土をこね、焼き、釉薬をかけた器である。美術館に置けば誰も見向きもしないかもしれない。骨董店に持ち込んでも、値段がつかないかもしれない。 それなのに、ある場所では何十万円、何百万円、場合によって...
2026/06/22阿邪美 - AJaBi -鑑賞の入口群盲象を評す - 僕らは世界のほとんどが見えていない -僕らは、世界のほとんどが見えていない。これは謙遜ではなく、人間の条件である。 私たちは、自分の立っている場所からしかものを見られない。背の高さ、育った場所、読んできた本、通ってきた学校、働いてきた場所、失敗した記憶、傷ついた経験、好きだった人、嫌いだった人。そういうものが、すべて視界の形を決めている。 だから、同...