練馬区立美術館では開館準備中から野見山の作品の収集を続けてまいりました。1996年と2007年には野見山の個展を開催、近年では、2021年・2024年に新たに作品を収蔵しコレクションを充実させてまいりました。「追悼 野見山暁治 野っ原との契約」展では、当館への収蔵後、初公開の作品を含む、油彩画、ドローイング、版画に加えて、練馬区のアトリエでの野見山の愛用品など、前後期を通じて約80点を展観いたします。2025年に開館40周年を迎える練馬区立美術館は同年より建て替えを予定します。建て替えを目前に控えた本展覧会は、2階のみの展示となりますが、1930年代の最初期から2020年代の最晩年までの野見山の画業をご覧いただくまたとない機会です。 本展覧会では池袋モンパルナスで過ごした東京美術学校時代から、戦後の炭坑や骸骨といった具象的なイメージを描く時期を経てフランス留学にいたる[前期]と、帰国後、自然や身近な事物をモチーフに独自のイメージを展開させ追究し続けた晩年までの[後期]に分けて展観します。絶筆作品を含む油彩画や版画、ドローイングおよび関連資料等、前・後期を合わせた約80点を通じて、野見山の画業の軌跡を辿ります。併せて、野見山の暮らしと制作の拠点となったアトリエの風景にも焦点をあてます。野見山は、1971年に練馬区に、ついで1976年に福岡県糸島市に住居兼アトリエを構えました。ともに建築家の篠原一男(1925-2006)の設計によるものであり、柱のない広いアトリエ空間や開口部が切り取る風景、特徴的な階段などは、野見山の制作を支えただけではなく想像力を掻き立てるものであったと考えられます。本展覧会では、アトリエに残された制作の道具や愛用の品等を展示するとともに、アトリエでのインタビュー映像やこの度新たに撮影した練馬と糸島のアトリエ内部をご紹介いたします。 <展覧会関連動画>