田園を主題とした絵画は、十二ヶ月の風物を描く月次絵の一場面や、中国の耕織図を源流とする四季耕作図など、わが国でも古くから盛んに描かれてきました。江戸時代には、実見した情景に取材した作品も多くつくられるようになり、様々な流派でヴァリエーション豊かな作品をみることができます。 近代日本画における田園のイメージは、こうした伝統を踏襲しながら展開しますが、やがて急速な都市化や工業化に対する理想郷としての側面が強まり、画家たちの間にはいわゆる「田園趣味」が浸透してゆきます。ある者は、幼き頃に体感した風景や姿を変えてゆく身近な風景を郷愁や哀惜の念をもってとらえ、またある者は、自然が宿す豊かな生命力を求め自ら田園へと向かいました。今回のコレクション展は、田園風俗や田園風景、収穫物などを描いた作品をとおして、日本人の美意識や価値観に、改めてふれる機会を提供するものです。また、当時の日本の風俗や文化を楽しむこともできます。 なお、特集展示では、京都とかかわりがある横山大観の作品や、大観と交流した京都画壇の画家たちの作品を紹介します。 左から小茂田青樹「秋梢」、竹内栖鳳「涼蔭放牛」、今村紫紅「村落朝景」、土田麦僊「大原女」、矢沢弦月「収穫図」 ○内容 第一章:田園風俗 第二章:田園風景 第三章:みのり 特集展示:横山大観と京都の日本画家たち ○展示解説 2月17日(土)、3月16日(土)13:30~ 場所=二階堂美術館展示室内 講師=当館学芸員 ○主な出品作品 今村紫紅《村落朝景》 明治43年(1910)頃[新収蔵品] 小林古径《収穫》 大正7-8年(1918-19)頃 土田麦僊《大原女》 昭和3年(1928)頃 川端玉章《春秋郷村図》明治後期頃 竹内栖鳳《涼蔭放牛》 昭和5年(1930)頃 山本丘人《霜田》 昭和19年(1944) 横山大観 《柚子図》 昭和5年(1930) 福田平八郎《麦》 昭和10年(1935)頃 金島桂華 《秋茄子》 昭和初期頃 横山大観《愛宕路》 大正10年(1921) 冨田渓仙《風師雷伯》 大正7年(1918)[新収蔵品] コレクション展4『田園風俗と田園風景 特集展示/横山大観と京都の画家たち』目録 コレクション展4『田園風俗と田園風景 特集展示/横山大観と京都の画家たち』チラシ(表) コレクション展4『田園風俗と田園風景 特集展示/横山大観と京都の画家たち』チラシ(裏)