明治以降の宮中においては、明治4年ごろを境に明治天皇御親(おんみずか)ら先頭に立ってわが国の近代化を図りました。その一環として、日常においても軍服をはじめ洋装をお召しになる機会が増えていきましたが、明治天皇は宮中祭祀(さいし)などにおいては伝統的な装束をお召しになることを定められたのです。明治の宮中文化は、いずれもが洋風化するのではなく、良い所は残すという正に温故知新の気風に象徴され、明治天皇の御物(ぎょぶつ)においても平安時代からの様式を踏襲する装束と新しく制定された服制などが混在しています。 本展では、明治天皇の御物や皇族の御品などの宮中で御使用の品々の中から装束や調度、明治天皇の御宸筆御製や女官が書き残した和歌などを展示する一方で、軍服などの明治の近代化を象徴する品をも展示致します。 御来館の皆様に新旧一体となった当時の宮中文化の一端に触れていただければ幸いです。