明治時代以降、アカデミズムから前衛に至るまで、日本の洋画に計り知れない影響をもたらしてきたフランス。とりわけ首都・パリには、本場の美術を学ぶことを切望した日本人洋画家たちが集いました。 第二次世界大戦を経た1950年代から70年代、次世代を担う若き洋画家たちが続々とパリの地を踏みました。日光出身の入江観(1935-)は、1962年に渡仏し、フランス国立美術学校でモーリス・ブリアンションに師事。帰国後は、青空の下に広がる風景を描くことで独自の画風を確立します。そして、1970年には、小杉放菴を祖父に持つ小杉小二郎(1944-)も渡仏、長きにわたってパリに滞在し、静謐な心象風景を手がけてきました。 さらにこの時期、対象を解体し再構成して描く野見山暁治(1922-2023)や、後に平面性を強調した静物画を手がける笠井誠一(1932-)など、実に個性豊かな顔ぶれがパリに揃ったのでした。 本展は、1950年代から70年代にかけてパリを訪れた野見山暁治・赤堀尚・笠井誠一・進藤蕃・植田寛治・入江観・小杉小二郎の滞欧作を、その前後の作品と展観することにより、この地での学びが彼らの画業にどのようにして活かされたのかを探るとともに、個性豊かな画家たちに彩られた現代洋画史の再検証を試みるものです。