これまでテクノロジーは人間が意図し設計することで、ツールとしてその存在を確立してきました。現在、テクノロジーはその発展によって、一部分では人間の設計を超えて成長し機能しています。岸はAIをツールとするのではなく、人間と同様に自律性をもつ存在として扱い人間とは異なる知性として協同することで、歴史やイメージといった人類によってつくられてきたものすべてを、これまでとは別の仕方で読み替えていくことを試みています。 骨は身体の形状を規定するパーツであると同時に、人類が最初期に用いた道具です。人類が骨を手にしたとき文明が始まったとするならば、骨は記念碑的なツールといえるでしょう。本展「Imaginary Bones」で岸は、AIの視点から骨を再解釈し、わたしたちの世界とは違う形状、ルールによって構成された世界を提示します。 本展を通じて岸は、既存の文明を原始の部分から読み替え、いま、加速度的な発展によってこれまでわたしたちによって規定された制度がその根底から融解しつつある状況を表出させます。 Curator| 隅本 晋太朗 (Shin Sumimoto) 1993年生まれ。東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科アートプロデュース専攻キュレーション/リサーチコース修了。専門はアートにおけるマーケティングストラテジーとキュレトリアルセオリー。これまでの活動に「Count the Waves -見えないものをつなぐ-」展(2019, 東京, コキュレター)、「Welcome to Birdhead World Again – Tokyo 2019」展(2019,東京, アシスタントコーディネーター)、「富士山展3.0」(2020, 東京)、「村田宗一郎 A Walk through White Shadows」展(2021, 東京)など。