本展で紹介するのは、木村利三郎(1924-2014)が1970年代初期に版画で制作した世界の都市シリーズです。ショアウッド・カンパニーとの契約に基づいて制作された本作品群は、世界の代表的な20都市を実際に見ることなく描いたもので、誰もが抱くイメージを基にしつつ、木村独自の造形手法によって新しい都市像が展開しています。色彩豊かな幾何学的・装飾的図形と各都市を代表するモニュメントや景観が組み合わされており、どの都市が描かれているか想像しながら見るのも面白いでしょう。また、こうした都市のイメージが版画だけでなく油彩画においても制作されている点は興味深く、今回モティーフや構図が共通する版画と油彩画を一緒に展示しました。