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鹿沼市立川上澄生美術館

館長プロデュース 川上澄生 「刷り」という実験室

2024/01/10(水) - 2024/04/07(日)

2024/01/10(水)-04/07(日)

明治期後半に起こり、1920年代に隆盛を誇った創作版画運動は、作家自らのイメージを表出させるひとつの表現手段として「版画」を芸術領域に昇華させる試みであり、作家が版画制作の工程に関与し、コントロールすることで個性・創意性を重視した作品が多く生み出されました。 下絵を描き、作家自ら版木に彫刻刀で刻む線には、筆で描く線と同様に筆跡の抑揚に身体の動きが痕跡として表れます。木版画の表現において、彫りは作家のエモーション(emotion)そのものです。 版木の刷りには、油性絵の具、水性絵の具どちらも使用しますが、長い木版画の歴史を見ても支持体に用いられる素材は彫りの形を正確に写しとることが出来る紙がほとんどであり、版の形を紙上に再現するということが主たる目的とも言えます。 しかし、澄生の木版画制作では、この刷りの工程においても刀に託した熱量はそのままに、一枚の版木から様々な素材・技法を用いて複数の印象を引き出す刷りの実験を行い、その化学反応を楽しんでいます。和紙はもちろん洋紙、艶紙、布、革、経木、絵の具が浸透しないアルミ箔にまで刷れるものにはなんにでも刷るという澄生の試みは、版画の複数性には頓着せず、独自の創作世界、版表現を展開しました。 本展では、川上澄生の多様な「刷り」を紹介し、表現の探究者としての川上澄生にスポットを当てます。どうぞ刷りの実験室で皆さまもご検証ください。