「ぞうさん」「やぎさん ゆうびん」など、誰もがいちどは口ずさんだことのある童謡の作詞者として、また平明な日本語で生命や事物の存在を寡黙に言祝ぐ詩の紡ぎ手として親しまれ、2014年に104歳でこの世を去った詩人まど・みちお(1909-2014)。50代前半の一時期、彼は人知れず絵の制作に没頭しました。その多くは「この世にあるもの」をなぞらずに生まれて来た抽象画です。詩人の故郷に建つ周南市美術博物館のコレクションから精選した作品群を中心に、ときに苛烈さを秘めながらも慈しみをたたえ、宇宙に直結するかのような深い響きを宿す絵の数々をまとめて展観します。絵画作品約60点に加え、原稿、創作ノートや書籍などの資料約240点を展示。この稀有な詩人の足跡、そしてその心に映った宇宙の姿をたどります。