幸田露伴、田山花袋、若山牧水、竹久夢二……、明治以降、名だたる文人墨客が青森県の温泉地を訪れ、その魅力を詩情豊かな文章に書き綴ってきました。滾々と湧き出る温泉、人里離れた閑静な宿、情緒あふれる街並み、得も言われぬ山水の美観・奇観……、温泉地ならではの風景が〈旅人のまなざし〉で情感豊かに描かれ、日ごろ見慣れた景色が新たな魅力をもって迫ってきます。また、青荷温泉の丹羽洋岳、大鰐温泉の増田手古奈のように温泉地に暮らした文人や、故郷から遠く離れた蔦温泉を終の棲家とした大町桂月のように、〈生活者のまなざし〉で温泉地を描いた詩文にもまた心惹かれるものがあります。 本展は、これらの文学作品、紀行文などを通して、本州最北端・青森県の温泉地の魅力にあらためて迫るものです。