この発信拠点について
幻。ぼんやりと、戯れるように、儚いけれど、鮮やかに。
2012年7月13日の金曜日「Cafe Gallery 幻」は開店します。
土地のつながりは震え傷つき、「モンパルナス」も「トキワ荘」もウェブ上へ移った今、なぜ?
「カフェギャラリー」という言葉はあまり意味が無いかもしれない。ほかに適切なものが見つからなかった。
好きなことをする。やりたいことをやる。作りたいものを作り、見たいものを見る。
やりたいことをやるのは、簡単なようで勇気がいる。
やり続けるとなれば、さらに。
そもそも「やりたいこと」とは?
わからない。いや、思い出せない。
あの頃、ひとり自分の体内をぐるぐる歩きまわり、心臓に頭をぶつけているだけで一日が終わった。
あの頃には戻れない。けれど今、あの頃以上のものが作れるだろうか?
くだらなくてとびきり幸せな日常にさいなまれ、前に進めない。
自分をだまさないように。本当に大切なことを見失わないように。
何かを始めるのに、遅すぎることも早すぎることも無い、と誰かが言っていた。
清くも、正しくも、美しくもなれない。
それでも、今を続けよう。
幻。ぼんやりと、戯れるように、儚いけれど、鮮やかに。
過去。現在。未来。
会期が終わっても、この店が作品となるだろう。
たとえ歴史に残らずとも、たとえ世界を変革できずとも。
傷つきながら、美しく人生を棒に振るために。
涙しながら、微笑むために。
幻のような今を、いつか思い出してこう叫ぶために。
「時よ止まれ、おまえは美しい!」
2012年7月
Cafe Gallery 幻(現・Gallery 幻) 代表 小林義和

