エミール・ガレ(1846–1904)はフランス・ナンシーを拠点とするアール・ヌーヴォーの代表的工芸家・デザイナー。ガラス、陶芸、家具にわたり活動し、酸によるカメオ彫刻、宙吹き・研磨を重ねた多層ガラス、独自の“マルケトリー・ド・ヴェール(ガラス象嵌)”を確立した。植物学的観察と象徴主義、ジャポニスムを取り入れた詩情ある意匠で知られる。1890年代から家具制作を本格化し、木象嵌と流麗な構造のキャビネットやテーブルを発表。1889年・1900年のパリ万博で最高賞を受け国際的名声を得た。1901年に「エコール・ド・ナンシー」の初代会長を務め、地域の芸術産業振興に貢献。代表作にアザミやスイレンを主題とする花器群がある。

